一次試験の中でも苦労する人が多い「経済学・経済政策」。
他の科目は順調に進むのに経済学だけ理解が進まない…なんて声をよく耳にします。
かくいう私も経済学・経済政策は試験ぎりぎりまで悩まされた科目の一つでした。
本記事では経済学・経済政策が難しいと感じる理由と試験での対策法をまとめました。
「経済学・経済政策」は苦手・難しいと感じる受験生が多い科目
・金融機関に勤務しているから「財務・会計」が得意
・SEをしているから「経営情報システム」が得意
といった話は頻繁に聞きますが「経済学・経済政策」が得意!って話はなかなか聞きませんよね。
私は受験生時代に勉強仲間がいなかったので、あまりそのような話はしたことがありませんでしたが、中小企業診断士の方と受験生時代の話をすると決まって、
経済学・経済政策に対する苦悩
・「経済学・経済政策」に苦しめられた!
・経済学が難しくて科目合格で乗り切った…
という話を聞きます。
感覚的には経済学・経済政策の平均点は他の科目に比べてかなり低いんじゃないか?と思いがちですが、実際のところそんなに平均点が低いということはありません。
実際の試験の平均点は公表されていないので、TACデータリサーチの数値を使っています。
少し古いデータですが以下に経済学・経済政策の平均点データをまとめました。
平成25年度の試験では41.92点とかなり低い平均点ですが、60点程度の年が多く、経済学だけ異常に難易度が高いとは言えない結果がでています。
なぜ経済学・経済政策を苦手だと感じる受験生が多いのか
ではなぜ経済学・経済政策に苦手意識を持ってしまう受験生が多いのでしょうか?
一次試験の7科目の科目合格率を確認したところ、苦手意識が高いわりに経済学の科目合格率は異常に低いといったような傾向はありません。
苦手意識がある=点数を取れないではないです。
経済学・経済政策に対する苦手意識が形成される要因の1つとして経済学に触れる機会の少なさがあります。
冒頭でも触れた通り、他の科目は仕事上関わる知識が生きるものも多いです。
しかし、多くの受験生が「経済学」に携った経験は大学生時代くらいではないでしょうか。
中小企業診断士は受験資格が他の国家資格に比べて緩く、誰でも目指せる資格なので受験生も様々です。
短大卒・専門卒・高卒の方だと授業で経済学を受けたことがないかもしれませんし、大卒だったとしても、理系だと経済学に触れることは少ないでしょう。
ただ、経済学部出身でも経済学のことなんて全然覚えていない方も多いはずです。
私は経済学部出身でしたが、全くと言っていいほど覚えていなかったですからね。
また、中小企業診断士を目指す人は理系より文系が多いです。
経済学は数学的な要素も強く、数学が苦手な人間が多い文系出身としては避けたくなる科目ではないのでしょうか。
ここまで経済学・経済政策の悪いところだけあげましたが、他の科目と比べて良い点もあるんです。
それは、時事問題対策が不要だという点です。
他の科目は毎年、時事問題を把握していないと答えられない問題を出題してきます。
中小企業診断士として活動するならタイムリーに新しい知識を身に着けていくのは必須です。
しかし、試験勉強をしながら時事問題に対応していくのは簡単なことじゃないので面倒ですよね。
その点、経済学はすでに学問として完成されているので時事問題が出題される可能性は極めて低いです。
そういった意味では、試験勉強に専念すれば点数の取れる素敵な科目ですね。
どうしても経済学・経済政策が苦手な方にオススメしたい勉強方法
経済学・経済政策は時事問題に対応する必要がないので素敵な科目だと紹介しましたが「時事問題がでなくても全然理解できない…」という声が聞こえてきそうなのでオススメ勉強方法についてもまとめました。
苦手意識が強い方は、もしかして経済学の原理原則をしっかり理解して試験に臨もうとしていませんか?
こんなことを書くと批判もありそうですが、経済学・経済政策の知識を使って中小企業診断士の仕事をすることなんてまずありません。
また、二次試験に全く出題されないのが経済学・経済政策です。
わからないものはわからないと割り切ることも試験勉強では大切です。
もし興味がでてきたら中小企業診断士になった後に勉強すればいいんです。
経済学が苦手な方の特徴として「経済学が現実の経済と完全にリンクしていると思い込んでいる」という特徴があげられます。
確かにリンクしている部分はあります。
しかし、それはあくまで部分的にといった程度です。
実際に経済学・経済政策で点数を取ろうとするならば、経済学に出てくる話は「経済学のおとぎの国の話」程度に捉えて覚えていきましょう。
現実の経済とリンクさせて覚えていくというより、ゲームとかファンタジー小説を読んでいる時みたいに「あぁ、ここはそーいう設定のお話なのね。」くらいで良いのです。
ただ、そのぶん「景気動向指数」等の暗記で対応できるポイントをしっかりおさえましょう。
経済学・経済政策はテキストのみを使い頭の中で図を描いて勉強するよりも、説明を受けるときは動きのある動画講義で勉強すると頭に入りやすいです。
動画講義を受けられる環境の方はテキストよりそちらを重視してみてもいいでしょう。
経済学・経済政策の解き方のコツ
わかるポイントを見つけ消去法で問題を解く
これは経済学・経済政策に限った話ではありませんが、苦手科目を乗り切るためには絶対必要な技術です。
問題を読んだ瞬間に「あっ、絶対わからないな。」と感じることもありますよね。
そんな問題でも選択肢の中に少しは理解できるポイントがあるものです。
一次試験はマークシート式の選択問題だけですから、正解の選択肢がたまたま知っている知識だったら得点できちゃいます。
ハズレの選択肢だったとしても、その選択肢を除いて消去法を使って選べば正答率はあがります。
鉛筆を転がして神に祈るにしても最大限努力してからにしましょう!
4択問題を完全に勘で答えると正解する可能性は25%ですが、選択肢を1つ削れれば33%、2つ削れれば50%です。
地味ですがマークシート式の試験で合格するため消去法は必須です。
計算・知識問題は絶対に得点したい
前述の通りしっかり理解するのは困難な経済学ですが、確実に得点を重ねたいポイントがあります。
それが「計算問題」と「知識問題」です。
これらの問題は配点がそれほど高くありませんが、知識があればor計算方法を知っていれば解ける問題を落とすのはもったいないです。
経済学が得意でどのような問題でも柔軟に対応できるのであれば、配点の低いこれらの分野を軽視するのもわかります。
ただ、経済学・経済政策が苦手は場合はしっかりと抑えて欲しいポイントです。
中小企業診断士一次試験は40点以下の科目が1科目でもあると不合格という明確な足切の水準があります。
苦手科目ではこの水準を意識して足切りを絶対に避けるという意識をもって計画的に勉強する必要がありますね。
配点は毎年同じ1問4点25問
経済学・経済政策は毎年決まって、1問4点の25問で構成されています。
苦手だと感じている方は、足切ラインの40点がとれるように必ず10問正解できるように意識しましょう。
でもたった10問で良いと考えるとすこし気が楽になりませんか?
逆にたった10問も正解できないとなると確実に勉強不足です。
経済学・経済政策の出題の傾向
経済学・経済政策は一次試験の他科目に比べ、問題の雰囲気がガラッと変わる試験です。
中小企業経営・政策の次に過去問の重要度が低い科目かもしれませんね。
中小企業診断士試験の勉強の基本は過去問を暗記するくらい繰り返すことですが、経済学・経済政策はそうはいきません。
過去問に限らずたくさんの問題に触れ、同じ論点でも様々な視点から考えられるようにしておくことが大切です。
手を打っても経済学・経済政策に拒否反応が出るなら
それでもだめなら…………経済学・経済政策は40点で良いと割り切りましょう。
他の2科目で70点以上を2科目取る。
これしかありません。これで平均60点です。
一次試験のありがたいところは、本当に苦手な科目があって点数を見込めなくとも突破できることです。
前述しましたが10問だけ正解すれば良いのです。
経済学経済政策はほぼ全て4択問題ですから、全部適当に答えても確率的には25点くらい取れるハズなんです。
残り15点分は知識問題や計算問題でどうにか取ってください。
これで足切は避けられます。
ただ、全科目で6割以上という合格基準は変わりませんので、あくまで経済学・経済政策が苦手でどうしようもないときの考え方だと思ってくださいね。
終わりに
今回は経済学・経済政策が難しいと感じる理由と試験での対策法をまとめた記事でした。
私もこの科目に悩まされたので苦しむ方の気持ちはよくわかります。
経済学・経済政策は二次試験では問われない科目なので「一次試験までの間だけ覚えてやる!」という気持ちで気合をいれて頑張ってください。
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