中小企業診断士を狙う理由として「年収アップ」をあげる人は多いです。
かく言う私もその一人でした。
難関資格を取得するからには生涯年収をがっつりあげたいものですよね。
社労士や行政書士よりは高年収と言われている、みんなが気になる中小企業診断士の年収を調査してみました。
中小企業診断士の平均年収は780万円
J-netが行った中小企業診断士に対するアンケートによると、年収は上記の結果となっており平均年収は780万円です。
また、アンケートに答えた中小企業診断士のうち約25%が年収1000万超えという結果です。
さらに上位約2%は年収3000万円以上だというのですから夢があります。
企業内中小企業診断士なら資格手当が貰えることも多く、相場で月1~3万円ほどの手当が貰えるので、資格を取得してすぐ年収換算で12万円~36万円アップすることになります。
さらに、資格取得の努力や知識が評価され、同世代より早く出世する傾向にもあります。
当然ですが世間一般のサラリーマンの年収と比べると高いですよね。
ちなみにサラリーマンの平均年収はこちらです。
サラリーマンの平均年収は2012年度の408万円から徐々に上がっており、データがある中で最新の2018年では441万円と上昇傾向ですね。
ただ、上昇傾向にあるといってもやはり中小企業診断士保持者との差は大きく、中小企業診断士を取ることにメリットがあると言えます。
資格を取らなかった場合との生涯賃金差
上記のデータによると
ポイント
「中小企業診断士の平均年収は780万円」
「サラリーマン全体の平均年収は441万円」
なので年収で339万円の差があります。
仮に中小企業診断士を30歳で取得し、65歳定年までの35年間中小企業診断士として勤めあげたとしましょう。
大事なポイント
年339万円 × 35年間 = 1億1865万円
1億1865万円という途方もない額が生涯賃金の差として生まれてきますね。
もちろん、資格を取得しただけで年収がいきなり339万円も増えるわけではないので、あくまで参考程度の数値ではありますが、給料が上がった分は退職金にも影響がでてくるので、上記の数値よりも大きい金額になる可能性も大いにあります。
ちなみに私はこのことに気付き資格取得のモチベーションとして奮闘しました。
「難しい資格だからなかなか勉強を始める決心がつかない」という人は、年収をモチベーションにさっさと勉強し始めたほうが良いですよ!
中小企業診断士の給料
年収は高めの中小企業診断士ですが「給料」だと無資格者とそこまで大きな差はありません。
「給料は会社からもらうもの=企業内診断士」です。
資格を持っていることで多少出世は早くなるかもしれませんが、会社に雇われている限り大きく収入が増えることはありません。
ただ、資格手当が貰える会社も多く取るだけでも価値はあります。
年収が高い中小企業診断士の大半は独立していたり副業で収入を得ています。
そういった意味で収入を増やしやすいのが中小企業診断士です。
雇われで安定した収入や福利厚生を得つつ、休日や平日夜に副業で収入増を狙う人が多いのが診断士の特徴の1つですね。
中小企業診断士の年齢層
こうしてみるとボリュームゾーンは40~60代です。
おそらくサラリーマンの平均年収のデータは、年収の低い20代30代がもっと多く含まれているはずです。
働き盛りで給料貰いざかりの40~60代が多く含まれているんだから、
ポイント
中小企業診断士の平均年収が高く出て当たり前
ですよね。
でもそれは企業勤めだった場合の話です。
独立していたら年収(給料)と年齢は関係ありませんからね。
そこで次はどれくらいの中小企業診断士が独立しているか調べてみました。
中小企業診断士のプロコンサルタントの割合
企業内診断士(コンサルタント業務をせず独立していない中小企業診断士)は49%、
独立していたり、コンサルティング会社に勤務しているプロコンサルタント診断士が45%です。
正直想像していたよりプロコン診断士が多いですね。
そうなると
ポイント
年齢の高い企業内診断士ばかりだから
平均年収が高いという理屈は通らない
ですよね。
ご存じの通り中小企業診断士は独占業務がないので既得権益に守られているとはいいがたい資格です。
しかし、決められた業務がないからこそ多くの分野に進出して活躍することができるのかもしれませんね。
おまけ:企業内診断士の転職
プロコンにまでなる気はないけど「中小企業診断士」を活かした仕事がしたい。
という方は結構多いです。
高い年収を希望するなら外資系のコンサル会社に行くのが一般的です。
ただ、外資系のコンサルはもともと非常にレベルの高い方ばかりなので、「中小企業診断士」が武器になるというよりも、なんとか足切レベルを超えているという程度になります。
苦労して手に入れた知識を「持っていて当たり前」の世界に飛び込むのは厳しいことも多いかもしれませんが、更なるレベルアップと高年収を望むなら選択肢にいれるもの良いでしょう。
また、
ポイント
年収は平均よりすこし多ければ良い
or
平均年収でも出世を早くしたい
という場合は、診断士を活かせる部署や中小企業を支援している企業に転職するのが良いです。
中小企業診断士は経営に関する知識を学べる資格なので、当然活かせる部署は会社の中核を担う部署になります。
転職サイトを覗いてもらえばわかりますが、中小企業診断士を活かせる部署としてよくあがる部署は「経営企画部」「財務部」「経理部」が多いです。
やはり数字から会社を動かしていく部署で欲されている傾向にありますね。
中小企業診断士を活かせる企業を狙う場合に選択肢に入れて欲しいのが、「商工会議所」「中小企業振興公社」「中小企業基盤整備機構」等の半官半民の団体です。
これらの団体は半官半民であるがために、一般の企業ができないような支援活動を生業としています。
もし、中小企業診断士として得た知識を(自社の利益を度外視してでも)社会のために使いたいというならば、これらの団体でしか実現は難しいでしょう。
ちなみに大体の都道府県に1つづつ設置されているので、地元で就職することもできるのは強みですね。
半官半民の団体ですが、求人は一般企業と同じように求人サイト等で募集しています。
ただ、倍率が非常に高く常に募集しているわけでもありませんし、面接対策をしっかりしている人ばかりが集まるので、生半可な努力では内定を勝ち取るのは難しいでしょう。
これらの団体を目指すなら大手転職サービス(無料)を活用して、プロに面接対策を手伝って貰うことが内定への近道です。
履歴書の作り方から面接で質問される可能性が高いことや面接後のフィードバック等、個人では絶対できないことをサポートしてくれますよ。
転職サービスを提供する企業は、転職を成功させたときに、求人を出している企業から報酬をもらう契約しているので、求職者は無料で利用することができます。
成功報酬型のサービスなので、多少無理にでも転職させようとしてくる企業もありますが、自身で基準をしっかり持ちながら利用すれば非常に心強い味方となりますよ。
中小企業診断士の年収データからの傾向
中小企業診断士は約半数が独立をしており年収が安定しないはずなのに、
ポイント
平均年収がサラリーマン平均より2倍近く高い
ものとなっています。
もちろん年齢が高く年収が高くて当たり前という考え方もありますが、定年後に趣味でコンサルティング業務を行う診断士もおり、サラリーマン平均に含まれていない層が中小企業診断士の平均年収を下げていると考えられることから、一概に年齢が高いことだけを要因としてあげることはできません。
やはり中小企業診断士は資格取得等を通じて、どの業界でも通用する力を身に着け活躍しており、その結果が年収に反映されているのだと考えられます。
中小企業診断士には「副業」という選択肢も
中小企業診断士として幅広い知識を身に着けることで、会社の外で「副業」を行うチャンスを手に入れられます。
中小企業診断士が行っている副業としてメジャーなものは、
ポイント
・コンサルティング
・試験対策問題の作成
・補助金申請代行
等があります。
まずコンサルティングから説明します。
コンサルティングは響きもかっこいいし中小企業診断士のイメージかもしれませんが、いきなりできるような簡単な仕事ではありませんし、そもそも仕事を受けるためのコネ作りから行わなければいけないので、難易度は非常に高いです。
しかし、中小企業診断士の花形と言っても良い仕事ではないでしょうか。
その分報酬も高いですし、副業としてコンサルティングを行い、軌道に乗ってきたら独立するといった王道パターンもある魅力的な仕事です。
つぎに試験対策問題の作成です。
試験対策問題の作成は、駆け出しの中小企業診断士に一番おすすめの副業です。
なぜならベテランの中小企業診断士と違い、つい最近まで試験問題と真剣に向き合っているからです。
試験の傾向も捉えた問題を作成できますし、何よりほかの副業よりも少ない労力でおこなえるでしょう。
最後に補助金申請代行です。
これは、国の補助金に申請するための書類を代行して作成し、採択された場合に成功報酬をもらうというものです。
私が初めて行った副業はこの補助金申請代行でした。
成功した場合に、補助金としてお金が入金されるというわかりやすい結果が出てくるので、事業者も代行者も納得できる形で報酬のやりとりができます。
中小企業診断士の年収や給料の現実まとめ
難関資格と言われる中小企業診断士の現実の年収はいかがでしたか?
年収のみを見てどうかというだけでなく、年収のデータだけでなく他にどのような情報があれば自分の知りたいことが判断できるかという視点を持つことが必要であることを感じて欲しいです。
中小企業診断士の業務では、物事を判断をするためにどのようなデータが必要か考え、そのデータからどういったことが言えるのかを導き出します。
気になったことを調べる際には、普段から様々な視点で物事を見るクセをつけることで中小企業診断士としての力をつけられます。
何かを判断する際には一つのデータだけでなく、複数の情報も集め総合的に判断するクセをつけていくことが、中小企業診断士試験に合格するための力になります。
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